Nシステムの情報が流出したのでついでにリンク集も

数日前からニュースで流れているように、警察情報の流出としては過去最大規模(文書ファイル約9000件、写真ファイル約1000件)といわれる流出事件が起こった。WATCHERとして注目したのは、ここにNシステムの設置場所一覧が含まれていたこと。毎日新聞によれば:


<警視庁情報流出>暴力団データ、Nシステム資料も流出
6月15日3時6分配信 毎日新聞

 警視庁北沢署地域課の男性巡査長(26)の個人パソコンから、ファイル交換ソフトWinnyウィニー)」を通じて捜査情報が流出した問題で、指定暴力団山口組に関する複数の内部資料やNシステム(自動車ナンバー自動読み取りシステム)の全国設置場所一覧表が含まれていたことが分かった。いずれの資料も使用にあたっては上司の許可を必要とするなど厳重に管理されている情報。個人パソコンに保存されていたことから、新たに内部の情報管理体制の問題も浮上した。
〔…〕
 Nシステムの一覧は全国1000カ所以上の設置場所が記載されていた。都内分の一覧表もあり、460カ所について設置場所が具体的に書かれていた。
 Nシステムについて警察庁は「捜査に支障が生じる」との理由で、設置場所については公表していない。
 流出データの大半は、巡査長が組織犯罪対策1課に勤務経験のある巡査部長(32)のパソコンから取り込んだものだったことが分かっている。暴力団情報などは巡査部長が組対1課時代に蓄積していたデータの可能性が高いとみられており、警視庁は巡査部長からもデータの入手経路などについて話を聞いている。

もうちょっと詳しい説明が、47newsにあった。


Nシステム設置状況も 警視庁の捜査情報流出
〔…〕
 資料によると、Nシステムは全国1017カ所に設置され、道路名や車線、詳細な住所のほか、予算年度、運用開始年月日、費用の負担先、管轄する警察署などが細かく記載されていた。

 資料が作成された時期や作成者は分からず、警視庁の公式文書かどうかも不明。また徳島、長崎、熊本の3県の設置状況は載っていなかった。

 警察庁が明らかにしているNシステムの設置台数は、2006年度末で国費分が730台、都道県費や国の補助金分が257台。設置場所や自治体別の数などほかのデータは公表していない。


2007/06/14 02:02 【共同通信

http://www.47news.jp/CN/200706/CN2007061301000922.html

同僚同士で、ファイルのコピーをしあっていたため、色んなファイルが彼のPCの中に入っていたそうな。
Nシステムがらみの流出事件は、愛媛県警の2006年3月のものが記憶に新しい。これについては、blog「踊る新聞屋−。」がエントリを書いている。一部引用させていただく。

 毎日記事によれば、
<「各種事件のN資料」と名付けられたフォルダー内のファイルは、いずれも99年の日付で、ほとんどが1日単位で区分されていた。>
 Nが決定的に“素晴らしい”点は、後検索が可能な点にある。つまり、事前に「このナンバーの車を追跡したい」だけではなく、「過去のある時点の、この車の動向を把握したい」という時に威力を発揮する。
 だから、蓄積されたデータはまさに宝の山であり「データは永久保存されている可能性が高い」と指摘する専門家もいる。
 削除される「一定期間」がどの程度を指すのか。今回、少なくとも7年は保存されていた(職員が持っていた)ことが明らかになった。
 一般的に「一定期間」と言えば5年がいいところだろうがしかし、100年だって1000年だって「一定期間」には変わりない。

http://t2.txt-nifty.com/news/2006/03/winny_ad85.html

Nシステムのニュースがあったので、ついでに主要なNシステム関連のサイトにリンクを張っておく。

「Nシステムをご存じですか」http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/nsystem.htm

「N-System」(行政権力暴走抑止 有識者機構)http://www.sakuragaoka.gr.jp/nsys/index.html

「Nシステムマップ」http://www.npkai-ngo.com/nmap/

「「Nシステム」を追う」(浜島望)http://www.incidents.gr.jp/0009/hamashima000925/hamashima000925.htm

なお、浜島氏には下記のNシステムを追求する書籍もあり。

警察がひた隠す 電子検問システムを暴く

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警察の盗撮・監視術―日本的管理国家と技術

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